令和4年度大学等の質保証人材育成セミナー第3回

「高等教育と生涯学習を横断する質保証-リスキリング、アップスキリングとその評価:ヨーロッパにおける生涯学習のトレンド-」

日時:2023年1月30日(月) 15:00-17:30

実施方法:ウェブ会議システムを利用したオンライン開催

主催:独立行政法人大学改革支援・学位授与機構

 

開催趣旨

 EU は、2017 年に採択した「欧州社会権の柱」の第一に「すべての人は質の高い包摂的な教育・訓練・生涯学習を受ける権利を有する」ことを定めました。COVID-19パンデミック後の社会・経済の復興と、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う影響に対応するためにも、ヨーロッパ全体として、誰一人取り残すことなく生涯学習の機会を保障することの重要性が高まっています。特にグリーン・トランジション(Gx)とデジタル・トランジション(Dx)のための教育・訓練の拡充は、ヨーロッパの成長戦略として重視されています。欧州市民の就業能力の強化と社会正義の実現に向けて、2025年までに「欧州教育圏(European Education Area;ボローニャプロセスが目指したEHEA(European Higher Education Area)を包摂し、生涯学習を含むものとして2020 年に欧州委員会が通達を発令。)」の構築も目指しています。こうした欧州全体の生涯学習の方向性をまず解説します。

 次に、こうした方針を、EU加盟国ではどのように具体化しようとしているのか、社会人の生涯学習への参加状況や高等教育における生涯学習への対応の仕方に相違がみられるスウェーデンとアイルランドの事例を紹介します。スウェーデンは、19世紀末に社会変革のための民衆運動から派生した民衆教育の伝統を継承しながら、1960年代末よりリカレント教育を推進してきました。スウェーデンの大学における近年の生涯学習への対応、社会人の多様な学びの成果の評価や質保証の現状について報告します。

 アイルランドは、2000年から産業界と連携した生涯学習政策を導入し、社会人の学び直しが促進されたことにより、生涯学習への参加率が著しく高まりました。近年は、短期間の学びの成果を細かい履修記録として表す「マイクロ・クレデンシャル」を大学で試行的に導入していることで注目されています。コーク大学における成人教育の取り組みとマイクロ・クレデンシャル導入の事例を報告します。

 欧州の中でも生涯学習推進の状況がさまざまであることを、各社会における課題の違いと照らし合わせて概観し、日本が取り組むべき方向性を議論します。

プログラム・講演資料

        プログラムPDF-file【参考】ウェビナーの参加にあたってPDF-file          
15:00 開会あいさつ
15:05 EUにおける生涯学習政策PDF-file(2023.1.27 15:00ファイル差し替え)
 澤野 由紀子:聖心女子大学現代教養学部教育学科教授 ▶動画  
15:35 高等教育機関における生涯学習、質保証とリカレント教育(日本語)PDF-file(英語)PDF-file
 Cecilia  Bjursell:Professor, Department of Education Director of ENCELL(全国生涯学習センター), Jönköping University, SWEDEN ▶動画 (日本語字幕付き)
16:05 Q & A
16:15 高等教育機関へのマイクロ・クレデンシャル導入の影響(日本語)PDF-file(英語)PDF-file
 Lyndsey  El Amoud:Assistant Director in Adult Continuing Education University College Cork, IRELAND ▶動画 (日本語字幕付き)
16:45 Q & A
16:55 休憩
17:00 全体ディスカッション
17:30 閉会
 

参加登録
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多数のご登録をいただきありがとうございました。

   

 

 

過去のセミナー情報   

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運営事務局

大学改革支援・学位授与機構評価事業部評価企画課 企画第2係
 Mail: hyokikaku2[at]niad.ac.jp ※[at]を@に変えてください。

 





令和4年度大学等の質保証人材育成セミナー第1回

「高等教育と生涯学習を横断する質保証」

日時:2022年10月6日(木) 15:00-17:30

実施方法:ウェブ会議システムを利用したオンライン開催

主催:独立行政法人大学改革支援・学位授与機構

 

開催趣旨

高等教育の質保証は、卒業生・修了生の「質保証」、すなわち、社会における就業能力を保証することにほかなりません。日本では、高等教育の質保証を21世紀にはいってから、認証評価を始めとする「大学評価」によって行い、とりわけ、授業を中心とする学習活動と教育活動の状況を点検・評価し、その向上を図ることによって成果を上げてきました。しかし同時に、入学者受入方法の多様化、教育組織の柔軟化、社会経験の評価など大学教育へのアクセスを向上させる取組みは、これまで大学評価が点検・評価の対象としてきた以外の活動に関する質保証の重要性への関心を喚起しています。

他方で、社会における就業能力に関しても、一斉採用制度、年功序列主義、定年制の自明性の消滅は、社会人の大学院における学び直しニーズの拡大や、国内外における多様な高等教育通信制コースの展開に見られるように、より高度な職能を支える学習環境としての大学を再認識させつつあります。

そのように、すべての情報流通がデジタル化、オンライン化される動向のなかで、教育内容の質保証の証拠のデジタル化は、本質的で重要な役割を担うようになりますが、この世界的動向に日本の現状は的確に対応しているということは困難です。したがって、学位の細分化(micro-credential Nanodegree)やデジタル認証バッジを用いた国際流通と互換性の担保も視野に入れて、カリキュラム設計をしていく必要があります。

本年度セミナーでは、高等教育と生涯学習を接続する観点からそのために求められる質保証のあり方、労働市場との接続可能性について現状の認識をしつつ、将来に向けた議論を行いたいと考えています。

プログラム・講演資料

        プログラムPDF-file
15:00 開会あいさつ
 光石 衛:大学改革支援・学位授与機構理事
 
15:05 これからの認証評価ー高等教育改革20年間を踏まえてーPDF-file
 土屋 俊:大学改革支援・学位授与機構研究開発部長
 
15:30 シームレス化する高等教育ー正規教育外学習の「質保証」をめぐる国際動向ーPDF-file
 野田 文香:大学改革支援・学位授与機構准教授
 
16:10 質疑応答・休憩
16:20 社会における高等教育の役割と行く末ー参入障壁低下がもたらすものーPDF-file
 坂口 菊恵:大学改革支援・学位授与機構教授
 
17:00 全体ディスカッション・フロアとの意見交換
17:25 閉会あいさつ・次回予告
17:30 閉会
 

参加登録
本セミナーの参加登録は終了いたしました。
多数のご登録をいただきありがとうございました。

 

運営事務局

大学改革支援・学位授与機構評価事業部評価企画課 企画第2係
 Mail: hyokikaku2[at]niad.ac.jp ※[at]を@に変えてください。

 


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