メールマガジン配信サービス

>>バックナンバー一覧に戻る
===============================
目次
===============================
1.質保証に関するトリビア・豆知識
海外動向記事の内容について読者の方々により深く理解していただくために、
本号で紹介する動向記事から質保証に関係するキーワードを一つ取り上げ、
用語や過去の記事について解説します。今回のテーマは「学生ローンと学費」
です。

☆:今回のテーマ「学生ローンと学費」に関連する記事

2. 海外動向記事
令和元年10月に当機構ウェブサイトに掲載した動向記事6件
(EU1件、韓国1件、米国3件、その他の国・地域1件)を紹介します。
ぜひアクセスしてご覧ください。

3. 高等教育・質保証イベント情報
2020年3月9日(月)-13日(金)に香港で開催される香港学術及職業資歴
評審局(HKCAAVQ)主催の大学等の質保証業務担当者向けワークショップ
について、ご紹介します。

==========================================
1.質保証に関するトリビア・豆知識
==========================================
「学生ローンと学費」

米国連邦教育省が2019年9月に発表した2016年度の学生ローンのデフォルト率
(債務不履行率)は、2015年度の値を下回り、デフォルト率が公開されている
2009年度から最も低い値となりました。その一方で、学費が年々高騰している
状況が各国でみられます。今回のテーマ「学生ローンと学費」では、近年の学生
ローンと学費の関連性と傾向についてご紹介します。

米国では、学生デフォルト率が下向き傾向の一方、2018年の私立大学の学費
は20年前の約2.7倍となっています。また公立大学においては、当該大学が
所在する州の非居住者に対する学費が20年前の3倍、更に居住者に対しては
それを上回る約3.4倍と、学費の高騰は続いています。

◇米国:高騰を続ける学費-大学ランキング入選300校の平均で明らかに-(2018年10月)
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/30/ustuition/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129

このような状況に対し、学生の経済的な不平等の緩和を目的に、巨額の寄付
が卒業生からなされるケースも見られています。

◇米国:ジョンズ・ホプキンス大学に対し、学生の経済的な不平等を是正する約2,000億円(18億ドル)の巨額寄付
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/01/07/billiondollardonation/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129

なお、元米国教育長官William J. Bennettの30年以上前の発言に端を発
するベネット仮説(Bennett Hypothesis)によると、学生ローンが増加
すると高等教育機関は学費を上げるため、結果として学生ローンの増加は
学生に対する経済的支援に繋がらないとされています。

これに関連してオーストラリアでは、近年奨学金受給対象の拡大による学生
ローン残高(学生に対する貸付額)が2012年には約3億豪ドル(220億円)、
2015年には30億豪ドル(2200億円)近くにまで増加しています。
この背景には、一部の高等教育機関が当時のローン制度を濫用して授業料が
高額な課程に学生を入学させ、学生がそのローン返済のため多額の借金を
負うこととなった実態が挙げられています。これに対応するため、2016年
オーストラリア政府は高等教育機関が学生ローン支給資格を得る条件を厳格
化すべく、新たな学生ローン制度の導入に向けた改革に乗り出しています。

◇オーストラリアにおける職業教育訓練学生向け学生ローン制度改革(2016年11月)
https://qaupdates.niad.ac.jp/2016/11/28/vet_fee_help_reform/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129

その一方で、公的補助のない高等教育機関(代替プロバイダー:Alternative
provider)が学生ローンの支給対象となる条件がより厳格なイギリスでは、
公的補助のある教育機関とない教育機関との間に公平な競争が実現されて
おらず、代替プロバイダーの新規参入を妨げていることが問題視されています。

◇イギリスの代替プロバイダー(公的な補助を受けない高等教育機関)が直面している5つの課題とは?(2018年4月)
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/04/04/ukgateways/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129

学生ローンの支給資格要件に関しては、大学評価結果から
アプローチするという韓国の例もみられます。

◇韓国教育部が大学構造改革評価の「第2サイクル大学構造改革基本計画」を発表
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/05/23/moe-announced-2nd-cycle/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129

以上のように、ローンの増加に伴う学費の値上げ、ローン支給資格に
まつわる課題など、学費と学生ローンについては、大きな課題として世界
各国で認識されており、適切な対策に向けて議論は続いています。


===============================
2. 海外動向記事
===============================
◇多種多様な短期教育プログラムにも適用可能、教育の質を示す15の要素
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/10/15/shorter-term-educational-experiences/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129
-------------------------------------------------------------
プログラムの期間の長さに関わらず、プログラムの質について説明する
15の要素とは。増加・多様化する短期教育プログラムの質保証とレビュー
に関する文書をCHEAが公開。

◇アメリカ:学生ローンを返済できない人の数が減る傾向に(☆)
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/10/15/us-studentloandefault2016/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129
-------------------------------------------------------------
米国連邦教育省は、学生ローンを返済できない人の数が年々減少傾向に
あることを発表。

◇韓国の大学、海外キャンパスの設立が事実上可能に
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/10/21/overseas-campus-southkorea/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129
-------------------------------------------------------------
韓国教育部は、韓国の高等教育機関における海外キャンパスの設立や
運営等に関する法的根拠を整備すると発表した。法令の改正は2020年以降
に行われる予定。

◇カナダ:専攻分野が年収に影響―コミュニティカレッジと大学の学士取得者の平均年収を比較
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/10/15/stats-canada-community-college/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129
-------------------------------------------------------------
カナダでは、コミュニティカレッジの学士保持者の方が大学の学士保持者
と比べて、高い平均年収を得ていることが明らかに。

◇【高校生のための大学の講義】アメリカのコンカレントプログラムと唯一の質保証機関
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/10/11/concurrent-qa/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129
-------------------------------------------------------------
真の高大接続?高校生が大学の単位を取得できるアメリカのコンカレント
課程とNACEPによる質保証の制度を説明します。

◇留学必須の大学院課程、欧州連合と日本政府が共同で3件採択
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/10/04/eu-jp-2019/#more-22879/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=191129
-------------------------------------------------------------
欧州連合と日本政府は、共同で支援する大学院の共同修士
課程を3件採択。約900万ユーロ相当の予算が割り当てられる。学生は
日欧両地域で学び、ジョイントディグリーかダブルディグリーを取得する。

====================================
3. 高等教育・質保証イベント情報
====================================
2020年3月9日(月)-13日(金)に香港の質保証機関である香港学術及職業
資歴評審局(HKCAAVQ)が高等教育・職業教育機関及び質保証機関における
質保証業務の担当者向けにトレーニング・ワークショップ(Professional
Training Workshop in Quality Assurance 2020)を香港で開催します。
「内部質保証と外部質保証の接点(Where Internal QA Meets External
QA)」をテーマとした、内部質保証及び外部質保証の実施のための方針・
手続きの開発等に関する能力開発のためのワークショップです。
HKCAAVQのホームページにワークショップの詳細が掲載されております
ので、ご関心がございましたら、ぜひご覧ください。

https://www.hkcaavq.edu.hk/en/services/training/professional_training_workshop



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
NIAD-QE 海外高等教育質保証動向ニュース
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
バックナンバー[https://www.niad.ac.jp/consolidation/international/publish/merumaga/kokusai_bkno/]
Twitterにて配信中![https://twitter.com/NIAD_JPN]

■ 編集・発行 (お問合せ先)
大学改革支援・学位授与機構 評価事業部国際課
 〒187-8587 東京都小平市学園西町1-29-1
TEL: 042-307-1634
E-Mail: kokusai@niad.ac.jp
-------------------------------------------------------
本案内の配信停止を希望される場合は、お手数ですが、以下のURLから
手続きをお願いいたします。
https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=niadqe_kokusai&task=cancel
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


〒187-8587 東京都小平市学園西町1-29-1

電話 : 042-307-1500(代)

ページの先頭へ

©copyright 1998 National Institution for Academic Degrees and Quality Enhancement of Higher Education