当機構とドイツアクレディテーション協議会(Akkreditierungsrat, German Accreditation Council: GAC)は、2015年10月に新規締結、2020年12月に更新した連携協力に関する覚書の期間満了に伴い、2025年12月12日、服部機構長及びGACBargstädt会長の署名をもって、2030年12月までの覚書の更新を行いました。今回は、2015年の覚書締結から10周年となる更新の機会を記念して、GACのManaging Director及びBoard Memberを務めるOlaf Bartz博士を機構に招へいし、覚書更新署名式及びGACによる講演会・懇談会を開催しました。

GACは、2005年に設立された公益目的の財団法人で、ドイツの16州から資金提供を受けて運営しています。連邦制をとるドイツでは、教育は各州それぞれの権限に属しており、国全体で統一された高等教育制度は存在しません。質保証制度についても同様で、各州がそれぞれアクレディテーション関連法を制定していますが、常設各州文部大臣会議(Kultusministerkonferenz, KMK)によって、ドイツ全国としての共通的なアクレディテーション基準や手続き等を示した「モデル政令(Musterrechtsverordnung)」が策定されており、各州はこれをもとに自州の法令を制定しているため、実質的にはモデル政令が全国的な共通基準等として機能しています。 

質保証制度としては、高等教育機関の学士課程及び修士課程を対象とするプログラム・アクレディテーション(2000年開始)、高等教育機関を対象として内部質保証の仕組みの信頼性・健全性をみるシステム・アクレディテーション(2008年開始)、そして高等教育機関が独自に策定した評価手法をGACと当該大学が置かれる州政府の承認を得た上で用いる代替的手法によるアクレディテーション(2018年開始)の3種類があり、高等教育機関はいずれかを選んで受審します。なお、システム・アクレディテーションでは、質保証機関によって内部質保証に着目した機関別評価が行われますが、これにより適合認定された高等教育機関は学内の学位プログラムの質保証を自ら行います。

アクレディテーションの実施主体はGACではなく、欧州質保証機関登録簿(EQAR)に登録された質保証機関の中から、GACが認定した11の機関です(機関数は20261月時点)。これらの機関が実施した評価報告書を基に、GACは評価結果の決定(適合認定付与の判定)を行います。このように、GACは実際のアクレディテーションは行いませんが、質保証機関の認定や評価結果の最終決定など、アクレディテーションの重要な局面に関与しています。

講演会では、戸田山研究開発部長による全体進行のもと、Bartz博士より、ドイツの高等教育制度の概要、アクレディテーション導入の背景、アクレディテーションシステムにおけるGACの役割、各アクレディテーションのプロセス・実施状況・課題等について紹介がありました。続く懇談会では、アクレディテーションの実務、アクレディテーションの社会への影響力、ドイツの大学事情といった多岐にわたる質問が参加者から寄せられ、活発な意見交換が行われました。

当機構とGACはこれまで、高等教育質保証に関する日常的な情報交換に加え、ドイツや欧州の質保証制度に関する当機構の現地調査や、GAC職員の当機構訪問等を通じて交流を深めてきました。今回のBartz博士の訪問により、両機関の質保証に関する経験や知見の共有がさらに進展しました。

 この覚書更新に基づき、両機関は引き続き、両国の質保証に関する情報交換等を通じ、質保証機関としての専門的機能を高めるとともに、高等教育機関への支援の強化に向けて取り組んでいきます。


覚書更新署名式の様子


Bartz博士による講演


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