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目次
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1.質保証に関するトリビア・豆知識
海外動向記事の内容について読者の方々により深く理解していただくために、
質保証に関係する用語や過去の記事について解説します。
今回のテーマは
「ASEAN諸国における海外大学のブランチキャンパス設立」です。

2. 海外動向記事
平成30年9月、10月に当機構ウェブサイトに掲載した動向記事13件
(中国6件、台湾1件、韓国2件、英国1件、欧州1件、その他の国・地域2件)
を紹介します。
ぜひアクセスしてご覧ください。

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1.質保証に関するトリビア・豆知識
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近年の高等教育界では、学生が留学をして国外の教育を受けるだけでなく、
教育を提供する大学側が、様々な形態により国境を越えて教育サービスを
提供する事例が増えています。今回のメルマガでは国境を越える大学の
一例として「大学の海外分校(ブランチキャンパス)」についてご紹介します。

ブランチキャンパスとは、OECDの定義によれば「ある国の大学が
外国にサテライトキャンパスを設立し、外国(受入国)の学生に
対し本国と同じコースやプログラムを提供すること」とされています。
つまり、ブランチキャンパスが設置されることにより、受入国の学生
は留学をせずとも、海外大学の教育を受けることが出来るというメリット
があります。

このような制度は、特に欧米圏への留学が経済的に困難であるという
ASEANの学生などからの人気が高く、昨今欧米の大学のASEANへの進出が
相次いでいます。中でも特にマレーシアとシンガポールが積極的に受入
れを行っており、2015年時点でそれぞれの国にブランチキャンパスが12校
ずつ設置されています。これは1国におけるブランチキャンパス設置校数
(受入側として)の世界第3位に当たります。

◇International Branch Campuses: Overview of Trends & Issue
https://www.niad.ac.jp/media/010/201808/International%20Branch%20Campuses;%20Overview%20of%20Trends%20&%20Issue.pdf

(大学改革支援・学位授与機構 平成30年度大学質保証フォーラム
「国境を越える大学」Jason Lane氏による基調講演資料21ページより)

マレーシアやシンガポールのように以前から積極的に海外大学を受け入れ
ていた国がある一方で、最近まで受入れに対し政府が慎重な姿勢を取って
いた国もあります。例えばインドネシアやタイがこれに該当します。

◇インドネシア:2018年中に海外大学の参入が実現か?
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/06/19/indonesia_tne/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030

受入れに対する慎重な姿勢について、これらの国に共通で挙げられる大きな
要因は、「国内大学からの反発」です。概して海外に進出するキャパシティ
を持つ大学は世界的に見ても著名であることが多いため、現地の大学
としては学生が奪われてしまうのではないかという懸念の声が多いようです。

しかしながらこれらの国についても、ここ数年で政府の方針が海外大学を受け
入れる方向に転換してきています。実際タイでは、米国の名門大学である
カーネギーメロン大学のブランチキャンパスが設立されています。

◇米カーネギーメロン大学がタイの大学と共同でブランチキャンパスを設立
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/05/01/thailand_branch-campus/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030

この背景には、Industry4.0(第4次産業革命)の出現が関係しているようです。
第4次産業革命とはIoT、AI、ビッグデータといった高度なテクノロジーが
相互に関連しあいながら新たな製品やサービスを創造する産業時代です。

◇日本経済2016-2017(内閣府)
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_2_1.html#n16_2_1_1

新たな産業時代に対応するため、高度な技術を備えた人材の育成が喫緊の課題
となっています。しかしながらASEANの多くの大学ではこれら高度技術分野の
教育がいまだ成熟していない現状にあります。そこで海外の、質の高い高度技術
分野の教育を提供する大学を受け入れて、自国の人材育成につなげようという
狙いが伺えます。

海外大学の進出により、今後受入国の産業界へどのような影響が
出るか注目したいところです。

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2. 海外動向記事
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◇【中国】中国:海外留学生受入数がアジアトップの48.92万人に
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/09/20/china-internationl-students/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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中国の海外留学生受入数がアジアトップに。背景には「一帯一路構想」のもと、
政府奨学金を拡大してきたことによる沿線国からの留学生の著しい増加がある。

◇【中国】中国:教育部が234の中外(国際)共同運営教育機関とプログラムの
閉鎖を発表
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/04/chinaclosescbe/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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中国教育部は質が十分保証されていない教育機関やプログラムの閉鎖は全体とし
ての質の向上につながるとしているが、海外では中国政府による締め付け強化
とする報道もなされている。

◇【中国】中国:教育部が高等教育機関の情報公開を促進
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/04/information_disclosure/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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中国教育部が大学情報公開の更なる促進にむけ、SMNやモバイル端末を活用した
情報公開方法の改善や、情報公開年次報告書の作成を通達。

◇【中国】中国:大学の学部課程教育のレベル向上に関するガイドライン(案)
のパブコメを実施
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/04/public_comment/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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「全国大学学部課程教育会議」で思想教育や徳育・文化教養教育の強化、教員の
質向上、ダブルディグリー、ジョイントディグリーの推進など40項目の政策が
盛り込まれたガイドラインのパブコメを実施。

◇【中国】中国:教育部が初の「全国大学学士課程教育会議」を開催
ー学士課程教育強化の大号令
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/04/undergraduate/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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中国教育部が全国約5万2千人の大学関係者を動員し「全国大学学士課程教育会議」
を開催。陳宝生教育部長が学士課程教育強化のスローガンを掲げた。

◇【中国】中国:CDGDCが初の専門職学位(修士)ランキングを発表
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/01/cupr/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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専門職学位(修士)8分野について試験的に評価を実施し、初の専門職学位
(修士)のランキングを発表。専門職学位教育の発展と質の向上にむけ、
今後は全ての分野について評価を行う予定。

◇【台湾】台湾:外国人留学生が卒業後、台湾で就職することが可能になるか
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/04/taiwan_international_student/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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少子高齢化による労働力不足解消のため、政府が永住権の取得要件・就労規制の
緩和などを新経済移民法(草案)を策定。外国人留学生の台湾での就職の門戸
が開かれる可能性が出てきた。

◇【韓国】韓国教育部が2019年度予算案を発表-教育関係予算としては
過去最高額に
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/09/2019_budgetplan/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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韓国教育部が2019年度予算案を発表し、教育関係予算としては過去最高額に。
高等教育関連では、大学改革支援、国立大学支援、産学連携活性化が柱。

◇【韓国】韓国「大学基本能力診断評価」の最終結果を発表
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/09/28/universityevaluation_2018korea/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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韓国:「大学基本能力診断評価」の最終結果発表。
323大学のうち、207大学(64%)が「自律改善大学」に選定、
2019年から一般財政支援が受けられる。

◇【英国】イギリス:TEF2018の大学評価結果(金・銀・銅)公開
ー授業料にも影響が
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/09/28/uktef2018/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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イギリスの大学の教育・学習成果の卓越性を測定し、金・銀・銅に格付けする、
TEF(2018)の結果が公表。TEFの称号の有無で、授業料の上限が変わる。

◇【欧州】エストニアでも書類のない難民の資格審査を開始
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/09/27/refugee_in_estonia/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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エストニアでも学位証書を持たない難民に対する資格審査を開始。
難民が提供する情報とENIC/NARICセンターの情報から、学習歴の一覧表を作成する。

◇【その他の国・地域】インドやアフリカで拡がるオンライン教育
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/09/27/online_in_africa_india/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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サブサハラ・アフリカや南アジアでは、人口増加に伴って、MOOCをはじめとする
オンライン教育が拡大。学位証書の電子化やオンライン教育における他国との連携
にも目が離せない。

◇【その他の国・地域】インドの高等教育の質保証が加速か―UGCが認証評価機関
の増加へ乗り出す
https://qaupdates.niad.ac.jp/2018/10/10/indian_aaa_increase/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=181030
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インドの認証評価機関が増える?UGCが認証評価機関の増加を容認するとともに、
認証評価機関の認可や運営に関する規則を制定。

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NIAD-QE 海外高等教育質保証動向ニュース
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