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vol.31:ベルギー・フランダース地方の新たな質保証システムの動向 ほか(2017年12月18日配信)

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目次
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1.質保証に関するトリビア・豆知識
海外動向記事の内容について読者の方々により深くご紹介させていただくために、質保証に関係する用語や過去の動向記事について解説します。
今回のテーマは「学位記(卒業証明書)の電子化」です。

2.海外動向記事
平成29年11月に当機構ウェブサイトに掲載した動向記事9件(欧州2件、英国1件、シンガポール1件、オーストラリア1件、米国3件、その他の国・地域1件)を紹介します。
ぜひアクセスしてご覧ください。

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1.質保証に関するトリビア・豆知識
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今回は、「学位記(卒業証明書)の電子化」をテーマに取り上げます。

学位記(卒業証明書)は、大学・大学院・短期大学で所定の教育課程を修了し、学位を授与されたことを証明するための文書であり、進学や就職する際に卒業生が自身の学習歴を伝達・証明するための重要な書類です。

学位記の電子化とは、従来、大学等が紙で発行している学位記を、ICT技術を用いて電子媒体で発行することです。

この学位記の電子化は、オーストラリアやニュージーランドにおいて、Higher Ed Services(オーストラリア大学協会が設立した非営利団体)が提供する、My eQualsというサービスで実装されています。

電子化によって、卒業生は紙の学位記の取り寄せのための時間やコストを減らすことができ、また最新技術を応用することにより、偽造リスクの回避を可能にすることが見込まれます。

ただし学位記データの原本は大学等側に帰属するため、卒業生は利用に際し大学等に学位記の発行を申請する必要があります。

◇【オーストラリア】オーストラリア:学業成績証明書のオンラインサービスを開始
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/05/12/my-equals/

一方、学位記データの原本そのものを卒業生自身に帰属させている例も見られます。
オランダでは、Diplomaregister(教育省が運営する中等・高等教育、職業教育、成人教育の学生データの管理簿)上にある、卒業生の学位記データの原本について、卒業生自身が上級教育機関や留学先教育機関、企業といった第三者に提供することができます。

◇【その他】まとめ:原本のデジタル化。世界の高等教育に広がる潮流
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/06/07/digitaldiploma/

また、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)は、電子化に「ブロックチェーン」技術を採用したことで、学位記データをスマートフォンアプリに保管することができるようになりました。

◇【米国】米:MITが「ブロックチェーン学位」の発行開始
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/17/mitblockchain/

学位記の電子化を推進するにあたっては、その通信の安全性が課題となりますが、ビットコイン等に使用されているブロックチェーン技術(各データの変更履歴が1本の鎖のように繋げられているため、変更後は元の状態に戻せず、改ざんができないとされている)を採用している例は米国以外でも導入例があり、今後も注目されます。

◇【欧州】生涯学習にブロックチェーン マルタ政府が国民の学習履歴管理に導入へ
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/28/malta_blockchain/

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2.海外動向記事
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◇【欧州】NVAO:ベルギー・フランダース地方の新たな質保証システムの動向
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/21/nvaoinsitutionalreview/
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ベルギー・フランダース地方の機関レビューが第1ラウンドを終えた。第1ラウンドの概要、成果等を紹介。

◇【欧州】生涯学習にブロックチェーン マルタ政府が国民の学習履歴管理に導入へ
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/28/malta_blockchain/
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マルタ政府が、民間との協力で国民の学習履歴をブロックチェーンで管理へ。誰でもスマホアプリで資格データを保管でき、第三者との共有も容易に。

◇【英国】イギリス:2018年 学生局(OfS)設立に伴う新たな質保証機関の選定について
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/21/ofsqa2017/
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イギリスで2018年1月に新しく設立される学生局(OfS)。学生局が選ぶ高等教育質保証機関はどこになるのか。

◇【シンガポール】シンガポール:国立南洋工科大学が卒業生に対して新たな取組みを開始
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/21/ntu-alumni-course-credit/
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創設された卒業生コースクレジットは、政府が推進する生涯学習の更なる発展につながるか。

◇【オーストラリア】オーストラリア:THE世界大学ランキング、今後の順位に懸念
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/02/australia-the-world-university-rankings-2018/
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150位以内に8大学がランクインするも、政府による財政支援に不安残る。日本の上位8大学との比較では、論文被引用数及び国際性で大きな差。

◇【米国】編入学では修得単位の約4割が認定されず?米国会計検査院が報告
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/06/transfer_student/
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編入学では修得単位の約4割が単位認定されず?学生の学費負担や連邦奨学金、コミュニティカレッジの4年制大学への進学等へ影響。

◇【米国】米国:リスクに応じた評価プロセスの省略
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/15/wasc_risk_base/
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米国の地域アクレディテーション機関が評価プロセスを省略する「テーマ評価パスウェイ」を設け評価負担軽減へ。

◇【米国】米:MITが「ブロックチェーン学位」の発行開始
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/17/mitblockchain/
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MITがブロックチェーンを使った学位の電子的な授与を世界で初めて実装。すでに提供を開始している。卒業生はスマホアプリに学位を保管し、第三者とのシェアも可能になる。

◇【その他の国・地域】賄賂や圧力 アラブ地域の質保証は発展途上
https://qaupdates.niad.ac.jp/2017/11/01/arabqasurvey/
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アラブ地域各国の質保証制度の調査が行われる。定期的な第三者評価を行う国は5/17ヶ国に留まり、設置時の審査後は質の管理がされていない実態が明らかに。


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