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〇欧州(オランダ・フランス)の質保証機関等の訪問調査を実施 | |
9月16日~23日にかけて、野上機構長、吉川研究開発部教授及び国際課職員3名が、オランダのNVAO、Nuffic、オランダの研究型大学14校の協会組織であるVSNU、フランスのAERES及びENIC-NARICセンターとしての機能を持つCIEPを、調査訪問しました。 NVAOでは、Karl Dittrich会長と野上機構長との会談に続いて、2011年に導入された国際化評価、NVAOの評価における学習成果、国際的な教育プログラムの質保証等について情報提供を受けました。 Nufficでは、Hanneke Teekens事務局長代理と野上機構長との会談の後、Nufficの外国学位・資格評価事業(外国学位・資格評価担当部局の組織構成、申請から資格評価書発行までのプロセス、評価担当者の研修等)、オランダのENIC-NARICセンターとしての役割、欧州圏学位・資格認証プロジェクトをはじめとする欧州のENIC-NARICネットワークの活動、高等教育の国際化を支援するためのNufficの取組み等について情報収集を行いました。また、現在、当機構が進める大学における国際活動の質保証の取組みについて説明を行い、国際化に関する評価ツールの開発等について意見交換をしました。 VSNUへの訪問では、オランダの研究型大学14校の協会組織であるVSNUの概要を中心に、オランダの高等教育制度、質保証機関・他の高等教育関係機関とVSNUとの関わりについて聴取しました。 フランスのAERESでは、Didier Houssin機構長と野上機構長との会談があり、覚書に基づく今後の連携協力事業について意見交換を行いました。また、AERESの機関別評価や研究評価のプロセスや動向、評価基準における国際化の観点、学習成果の観点等について聴取し、意見交換をしました。学習成果については、学習成果の定義や評価は非常に難しいこと、そもそもフランスにはlearning outcomesにあたるフレーズがないこと、フランスでは、学習成果の到達よりも身に付けることが期待される学習成果に重点が置かれているとの話を伺いました。 最後に訪問したCIEPでは、Myriam Leroux資格評価部長からCIEP内に設けられているENIC-NARIC Franceの概要及び外国学位・資格評価事業について聴取しました。センターの性格、成り立ちや設立から現在の事業拡大に至る経緯、現在の活動目標、ステークホルダー、欧州のENIC-NARICネットワーク内部の協力関係等について説明を受けました。外国学位・資格の認証事業については、申請から資格評価書発行までのプロセスや実施体制、評価手数料、資格評価の動向(申請国や件数の傾向等)、評価の特徴等について情報収集を行いました。オランダのNufficが主に機関からの申請による外国学位・資格評価を行っているのに対し、ENIC-NARIC Franceは、基本的に個人申請による評価を行っています。また、フランスの学位制度のもとでの資格評価では、海外で取得した学位・資格とフランスの学位・資格を突き合わせて「同等性(equivalence)」を求めることはせず、「比較(compatibility)」を行っているとのこと、外国資格評価担当者に求める資格としては、言語(英語+α)以外に、研究実績や学位・資格に関する経験の有無を特に問うことはなく、基本的に採用後の研修によって評価人材を育てているとの話も伺いました。 今回の調査訪問では、上記以外にも、日本・オランダ・フランス各国及び欧州の高等教育の状況、大学国際化の動向等について広く情報交換を行い、質保証の特徴や課題点等についての有益な知見を得ることができました。 |
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上写真:オランダ・Nufficとのミーティングの様子 下写真:フランス・AERESとのミーティングの様子 |
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※NVAO(Accreditation Organisation of the Netherlands and Flanders:オランダ・フランダースアクレディテーション機構) |
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