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生態観察

作品紹介

幼い頃から私は日常生活の中にこそ、面白い発見が転がっていると考えていた。そして今も変わらず、普段の何気ない日常をよく見ている。日常生活で見ているもの、これはまさしく生物の動きである。観察を通じ、そんな生物の動きや生活の様子を一度に見られる絵があれば面白いと感じた。その考えと日頃の観察から、作品を制作するに至った。イラストを切り絵で表現している。黒い画用紙から輪郭線を切り抜く際は、イラストである事を活かすため細めに切り抜いた。その結果、切り絵らしい影の表現はない。それでも表現に切り絵という手法を選択したのは、絵に凹凸が出て面白いからである。

全体的に、生物一体一体を細かく描いている。この生物は何をしているんだろう、もしかしたら、こんな事をしているんじゃないか、と登場しているそれぞれの生物の気持ちになって描いた。特にその中でも人の動きに注力し取り組んだ。
一つのタイトルを『生態観察』(注)とし、各々の作品にはサブタイトルが付いている。右の絵は、その内の『祭り』という作品である。日本の祭りを自分なりに表現した。全国各地に様々な祭りがあるが、そのどれもが迫力に圧倒されるものばかりであり、そこに集まる人々の活気も独特なものがあるので面白いと思い、制作した。左の絵の『それぞれの目的地』は全体の中心的な作品で、この機関車や乗客が向かう先は他の各作品である。つまり他の作品の生活の様子は、誰かが機関車の窓から見ている景色という事である。

作品に描かれているものについては私の想像したものであって、実在しないものもある。頭に浮かんだその光景を写真のように切り取り、あたかも誰かが見ているように描いている。しかしその光景というものは想像と現実が入り混じっている為、際限なく世界が広がっていく。私が観察を止めない限り「生態観察」というこの作品はこれからもどんどん増え続けていく点に特徴がある。描かれているそれぞれが何をしているのか、見ている人に自由に感じ想像してもらいたいと思っている。



作者:小林 由希奈 (こばやし ゆきな)
平成20年度学位取得 
専攻分野:芸術学 専攻の区分:美術 
作品の種類:イラストレーション

(注)  『生態観察』は、8枚の作品から構成されており、それぞれの作品には、サブタイトルが付けられています。今回は、その中から中心的な作品である『それぞれの目的地』と『祭り』の2作品をご紹介いたしました。




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