評価事業
主要行事日程
機構の窓
学位授与事業
News&Topics
NIAD-UEウェブサイトはこちらへ
和ロゴ
機構ニュースタイトル
ご意見・ご要望
HOME
News&Topics
|2|
土屋俊教授による研究開発部研究会の開催

当機構では2月14日(火)に「応用認識論の試み」と題して研究開発部研究会を開催しました。

 

本研究会では、発表者の土屋俊教授から、千葉大学附属図書館長及び千葉大学総合メディア基盤センター長のご経験を通じて、2000年以降電子ジャーナルの導入により、大学図書館の変化のみならず、高等教育や学術研究そのものが急速に変わりつつあるという問題意識のもと、広く“大学(知識)と情報化”を考察していくための新しい枠組みである「応用認識論」の構想と展望についての説明がありました。

はじめに、テーマである「応用認識論」について、“哲学における「応用」とは、基礎があってそれを応用することではなく、既存の思考では対処できない、新しい出来事への対処を考えていく学問であり、常に「応用」、つまり具体的な事例から出発する”という認識論についての解説がありました。

続いて、1994年から2010年までの、大学図書館間での文献等の相互貸借情報サービス(NACSIS-ILL)の利用記録データの分析結果から、とりわけ大学図書館に電子ジャーナルが導入されはじめた2000年以降の複写依頼件数の劇的な変化が、各種グラフにより具体的に説明され、さらに大学の「研究図書館」機能が、実際に縮小されはじめている事例などが紹介されました。

終わりに、単に大学図書館のみならず、高等教育の現場や一般の生活でも、「印刷物」から「インターネット」・「モバイル」への技術の変化によってこのような「情報の蓄積構造の変化」が生じ、既存の構造をゆるがしつつあるという分析から、今も急激に進展する“情報環境の電子化”という新しい事態に対処するための、新しい枠ぐみとしての「応用認識論」ではどのような研究が可能なのか、今後の理論構築や研究についての展望の一端が語られました。

 当日は機構長をはじめ、約40名の教職員が出席し、研究発表の後、大学現場での電子化への具体的対処法や、広くインターネット技術についてなど、活発な質疑と応答がなされました。

 
土屋教授
講演をする土屋教授

バックナンバー
住所
WEB-TV
第105号